清水義範|広島市 家庭教師の本田

清水義範の作品

国語入試問題必勝法

受験生の浅香一郎は、国語だけが苦手で、予備校で国語を教えている月坂という家庭教師に教わることになる。 本文に何が書かれているのかわからず、その上、意味不明な選択肢から正解を選ぶとなるとギブアップするしかない。 そういう一郎に、月坂が教えたのは、あまりに予想外な解答法だった。 本文の内容を理解する必要はない、選択肢を大小展外誤に分類して外を正解とする、選択肢の最長最短を除外する、 オカルトを避け人情を残す、文中の用語をそこここに使う、作者のファンになってファンレターとして書く、 具体例を挙げず抽象的な語句だけをつなげる、など。 こうして、一郎は、ごたごたとした私小説を「色々あった。」と六字にうまくまとめることができるようになった。

国語の成績を上げた一郎は、目標の大学に合格し、月坂に感謝の手紙を書いたが、それは国語の入試問題そっくりの、 何が言いたいかもわからない悪文となっていた。 「...問一 ところで先生って独身なんですか。問三 ぼくはよい生徒でしたか。次の中から最も近いものひとつを選べ。 ①大変よい生徒だった。 ②覚えの悪い生徒だった。 ③性格に問題のある生徒だった...」

大学の国語入試問題に引っかけたパロディである。 正論を完全に排除、とはいえ、予備校講師の言いそうな、受験生受けする解答術をいろいろちりばめている。 つまり、受験用の国語術では、本当の国語力はつかないというのがテーマなのだが……どうだろう。 ちなみに、入試問題は、ほとんど実際の問題をパロディ的に改作したものとなっている。

家庭教師の本田

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