谷崎潤一郎|広島市 家庭教師の本田

谷崎潤一郎の作品

文章読本

・私は、文章に実用的と藝術的との区別はないと思います。

・真に「分らせるように」書くためには「記憶させるように」書くことが必要なのであります。 大学の一節を記憶しているのは「緡蛮」という特殊な字面と文章全体の音調のためで、それから次第に本当の意味を理解する。

・初学者に取っては、一応日本文を西洋流に組み立てた方が覚え易いというのならそれもやむをえない。

・感覚を研くのにはどうすればよいか。 出来るだけ多くのものを、繰り返して読むことが第一であります。 次に実際に自分で作ってみることが第二であります。 総べて感覚と云うものは、何度も繰り返して感じるうちに鋭敏になるのであります。

・酒好きに甘口・辛口があるように、文章も和文脈を好む人と漢文脈を好む人がある。

・ほんとうに藝の上手な俳優は、喜怒哀楽の感情を現すのに、あまり大げさな所作や表情はしない。 反対に藝を内輪に引き締め、七八分通りの表現に止める。 現代の若者の文章は、あらゆる点で言い過ぎ、書き過ぎ、しゃべり過ぎだ。 特に無駄な形容詞や副詞が多い。 「何事も(忍びに忍んで)病苦と闘いながら(よく耐えて)来た母も、遂に実家へ帰らねばならぬ日が来た」(例)

家庭教師の本田

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